Part2 核ごみ受入れを検討した地域のこれまでと、今

第1回オープンミーティングのテーマは「核ごみ受入れを検討した地域のこれまでと、今」。

後半には、ワークショップをしながら質問・議論を行いました。


Q&A-

世界の核ごみ事情はどうなっているの?

NUMOの全国シンポジウムでは、「フィンランドの最終処分場である”オンカロ”ではうまくいっている」という話題があがりました。登壇者の方が、「自分は勉強不足だったころ、地層処分に関してあまり良い印象を持っていなかった。でもフィンランドの市民はよく勉強していてきちんとした知識があるから安全性についても把握して、処分場を受け入れた。」とプレゼンをしています。

しかし、言い方を変えればフィンランドとスウェーデン以外の国では進んでいない。そのどちらも、原発や使用済み燃料の貯蔵施設、低レベル放射性廃棄物の処分場がすでにあるところです。結局、そういった場所に決まってしまう。それと、どちらも処分するのはガラス固化体でなく使用済み燃料です。再処理をしないので、ごみの総量が決まっていることが受け入れにつながっているのかもしれません。(水藤周三さん)


今の福島第一原発のあるところが処分場にならないのでしょうか?

福島の状況に関しては、現在、事故で発生した放射性物質(除染した際に出た廃棄物など)は(大熊町・双葉町の)中間貯蔵施設へ持っていく計画です。しかし環境省は「30年以内に県外に持ち出す」ということを前提に中間貯蔵施設を建設しています。それだけ地元の拒否する気持ちが強いので、「汚染が高いところに高レベル放射性廃棄物も置いておこう」という話は、そうすんなりいく話ではないと思います。(水藤周三さん)


なぜ、地域に原子力発電所は建てられたのに処分場は建設が困難なのでしょうか/住民は何に反対しているのでしょうか。

反対の一番の理由は「危険性」だと思いますが、「原発は受け入れても処分場は受け入れない」という問題に関しては難しいですね。再処理工場に比べれば高レベル廃棄物処分場の方がまだしも安全ではないかという考え方だってあるくらいです。「処分場はゴミ捨て場」、「再処理工場は燃料生産工場」という考え方があるのだと思います。(西尾漠さん)


公募の方が民主的?

ある種、公募の方が民主的だと思ってこれまで進めてきたのだと思います。でも実際に公募してみたら、お金の話になってしまった。でも申し入れ方式より公募の方が民主的、という話は当然あってよい話ですね。(西尾漠さん)


処分場にはいくらかかる?

処分場を作るのにはだいたい3.7兆円かかると試算されています。すでに電力料金から積み立てているのが1兆円。でも2.7兆円はこれから積み立てないといけないという状況です。また、これで足りるかどうかもわからない状況の中で、次世代への負担が心配されます。(水藤周三さん)


核ごみプロセスをフェアに!したい方のご参加をお待ちしております!

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核ごみプロセスをフェアに!

商業用原発が稼働してから60年の間に、約18,000トンの”使用済み核燃料”が排出されました。これまでの処分場誘致のプロセスは決して民主的なものとは言い難い結果です。そんな中、経産省は、2017年度中に高レベル放射性廃棄物の処分地に適した地域をマッピングして、公表する予定です。そこでA SEED JAPANでは、「公正なプロセス」とは何かを探るため、草の根のプロジェクトを立ち上げました。

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