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「原発のゴミの問題」=「処分場が決まらない問題」

と思われがちですが、

実はそうでは、ありません。

では一体、何が本当の問題なのでしょうか?

向き合うべき「核ごみ問題」とは


原発を動かすことで発生する原発のゴミ。政府や電気事業者は、その処分の道筋をつけることを急いでいます。

2017年7月には科学的特性マップを提示し、あたかも核のごみ問題は「最終処分場が決まらない問題」のように説明をしています。

経産省と事業者主催の国民向け意見交換会で議論のテーブルに上がるのは、原発のゴミの「最終処分候補地の選定」のことのみ。

「ゴミが出るからゴミ捨て場が必要だ。ゴミ捨て場となる地域を決めよう。それが現世代の責任だ。」

でも私たちは、本当は「現世代の責任」として「原発のゴミ最終処分地選定の前にすべきこと」があると考えます。

 東京電力福島第一原発事故の教訓に立ったエネルギー政策

 核燃料サイクルの必要性と実現可能性

 早期の地層処分という処分方法の妥当性

 そして、最終処分地選定や最終処分研究のために犠牲となった地域の歴史。

あまりに多くの課題が議論のテーブルから隠され、「最終処分地選定」に問題が矮小化されているのではないでしょうか。

果たして、このまま原発のゴミの総量を決めずに、世代間公正を議論できるのか。
地域振興策と引き換えに、処分地を決めることが地域間公正を担保できるのか。

そうした課題に向き合わないまま、「どこに埋めるか」の決定をすることだけ重きを置いても、本質的な解決にはつながりません。

私たちは、関連地域のヒアリング調査や自治体へのアンケート、オープンミーティングや全国意見交換会、そして院内会合などを通して、様々な関係者と多角的にこの原発のゴミ問題を考えていくため、本プロジェクトを立ち上げました。


「核ごみプロセスをフェアに!」プロジェクトの歩み

2017年

3/9 企画立案ミーティング開催

5/23 第1回オープンミーティング開催

「核ゴミ受入れを検討した地域の、これまでと今」(講師:西尾漠さん/原子力資料情報室)

6/3-4 「どうする原発のゴミ全国交流会」@岡山県岡山市(原発のゴミ全国交流会実行委員会主催)に参加

6/15 第2回オープンミーティング開催

「『地域との共生』、その本質とは?~地方創生・里山保全と核のゴミ」(講師:鹿住貴之さん/JUON(樹恩) NETWORK、岡田航さん/東京大学大学院、藤原遥さん/一橋大学大学院)

6/22 北海道幌延町の歴史についての内部勉強会開催

7/4 第3回オープンミーティング開催

「核ごみプロセス、海外ではどうなってる?~ドイツ・フィンランドの事例から」(講師:澤井正子さん/原子力資料情報室)

7/14 映画「チャルカ〜未来を紡ぐ糸車〜」上映会開催 

7/26-28 幌延町調査実施(北海道幌延町役場、幌延深地層研究センター等)

7/29-30 「核のゴミを考える全国交流会」@北海道豊富町(幌延核のゴミを考える全国交流会実行委員会主催)に参加

8/25 第4回オープンミーティング開催

「公論形成に基づく合意形成を可能にするには?」(講師:倉阪秀史さん/千葉大学、伴英幸さん/原子力資料情報室)

8/29 「核ごみに関する政府との会合(第6回)」(核ゴミ問題研究会主催)に協力

8/30 「原発のごみ、これからどうする? 全国意見交換会」主催

9/5 瑞浪深地層研究所に関する院内会合に出席

9/25 瑞浪市調査実施(兼松秀代さん/放射能のゴミはいらない! 市民ネット・岐阜ヒアリング)

10/10 勉強会「韓国の”原発ゴミ処分”最新事情」(講師:高野聡さん/慶州大学大学院)

11/14 1都6県に高レベル放射性廃棄物に関するアンケートを実施

11/28 NUMOの不適切動員事件を受け、提言書「地層処分事業推進の前に、信頼の獲得と将来世代への負担軽減のために徹底した検証と情報公開を~NUMO意見交換会における「不適切動員」を受けて~」を提出

2018年

1/14 第5回オープンミーティング開催

「原発のゴミのコスト」(講師:大島堅一さん/龍谷大学教授、伴英幸さん/原子力資料情報室)

2/9 「核ごみに関する政府との会合(第7回)」開催(核ゴミ問題研究会・A SEED JAPAN共催)

2/11 シンポジウム「検証!原発のゴミ最終処分地選定の前にすべきこと ~動員されない若者が考える「現世代の責任」~」主催

2/21 有志メンバーで、経産省・NUMOの対話型意見交換会開催に対して意見書提出・抗議活動実施



メディア採録

2017/09/13 『社会新報』「核のごみを地域に持ち込ませない-『科学的特性マップ』でA SEED JAPANが意見交換会」

2017/09/20 『反原発新聞』第474号「これからどうする?原発のごみ 全国意見交換会開く」

2017/09/-   原子力資料情報室『NUKE INFO』No.180 「Group Introduction」

2017/10/02 原発おことわり三重の会『はまなつめ』「8.30 『原発のゴミ これからどうする?全国意見交換会』報告」

2018/02/21 テレ朝news「”謝礼で動員”批判相次ぐ『核のごみ』説明再開で」

2018/2/28 『社会新報』 「国際環境NGO A SEED JAPANが集会 原発のゴミ処分に『公論形成』が必要」

2018/3/25 『東京新聞』「首都圏で核ごみ『受け入れ』ゼロ 自治体アンケート、関心低く」

 『福島民報』「首都圏自治体アンケート 核ごみ『受け入れ』ゼロ 処分場の関心低く」

私たちの世代が向き合わなければならない「原発のゴミ問題」とは

2016年は、実は商業用の原発が日本で稼働してちょうど60年になる年でした。

戦後「核の平和利用」の名のもとに、原発は日本の高度経済成長を支える主要な電力となっていきました。

紙やプラスチックなどのゴミを燃やすと灰が出てくるように、原発も燃料のウランを燃やした後に、燃え残りが出てきます。これが「使用済み核燃料」。もう使えないものであれば「核のゴミ」と呼ばれます。日本は、この「核のゴミ」の処分地も技術も確定しないまま、原発を進めてきました。

そんな原発を、「トイレなきマンション」という人もいます。

使用済み核燃料は、福島第一原発によって汚染されたがれきや土壌などの何万倍も高い放射能を持っています。

今、日本に立地している原発は54基。稼働しているのは3基。使用済み核燃料はすべての原発の敷地内に置いたままになっています。政府の方針は、これらの使用済み燃料を全部リサイクル(再処理)して、もう一度原発で燃やすというものでした。また、その燃料を燃やすことによって新しい燃料を生み出す夢の原子炉「高速増殖炉」の開発も進めてきました。まだ再生可能エネルギーの技術が発展しない時代に「資源の乏しい国」とされてきた日本にとって、重要な国策となったのです。

でも、リサイクルも夢の原子炉も、多くの先進国が挑戦しましたが、上手くいきませんでした。一つは技術の問題、もう一つは経済性の問題です。


日本の再処理工場も、90年代に着工してまだトラブル続きで稼働の目途が立っていません。

50年前、日本はウラン燃料が世界的に足りなくなった時のために原発で何回も使える燃料を作り出す、と公言していました。ところが最近、ウラン燃料はあと50年は持つだろうと言われるようになりました。

そこで最近日本は、燃料の問題ではなく原発のゴミの容量を減らすためにリサイクルを行うとしています。しかし他の専門家によれば、再処理をしても結局使えずゴミとなる量はそんなに変わらないといいます。

そうこうしている内に、原発にたまった使用済み核燃料は増え続けてしまいました。

2011年3月、福島第一原発がメルトダウンしましたが、定期検査中の4号機も危なかったのです。冷却装置が故障してしまうと、使用済燃料を冷やしているプールの水が蒸発し、水位が低下して燃料自体が溶けてしまう事に繋がります。今、原発は動いていないから安全かというと、そうではないのです。

さらに、数十年、数百年と経つにつれ、使用済み核燃料を覆っているケース(キャスク)も腐食する可能性があります。ですから、今後原発を維持する場合も、撤退して廃炉にしていく場合も、いずれは安全な方法での最終処分が必要となります。


政府の方針は、地下300メートル以深の安定した地盤に埋設する「地層処分」という方法。

その地層処分場は未だ候補地さえも確定していません。日本は、地下水が多く安定した地盤がないと言われているため、地層処分は不可能だという専門家も多くいます。


核のごみの解決のためには、乗り越えなければならない壁が沢山ある。

「科学技術の確立をもって理解を求めること」だけではなく「公正で納得のいく決め方」が必要―多くの専門家もそのように指摘しており、政府も認めています。これは、高い放射能を何万年も有する廃棄物であるが故、その安全性・リスクを科学技術だけで判断することに限界があるという見解に基づいています。

今、国民や地域住民、また将来世代もが納得する形での「決定プロセス」の確立が必要です。